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ベトナムでネット通販 住商、現地大手に出資 日本流で販促、マレーシアでも展開
2013/08/27
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【ジャカルタ=上阪欣史】住友商事はベトナムとマレーシアでインターネット通販サービスに参入する。食品や生活用品などを幅広くそろえ、日本流の消費行動分析を生かした販売促進手法なども導入する。米イーベイなど世界の電子商取引(EC)大手も東南アジアで事業拡大を狙っている。若者層を中心に需要拡大が見込まれるアジア市場を巡る競争が激しくなりそうだ。

 【ジャカルタ=上阪欣史】住友商事はベトナムとマレーシアでインターネット通販サービスに参入する。食品や生活用品などを幅広くそろえ、日本流の消費行動分析を生かした販売促進手法なども導入する。米イーベイなど世界の電子商取引(EC)大手も東南アジアで事業拡大を狙っている。若者層を中心に需要拡大が見込まれるアジア市場を巡る競争が激しくなりそうだ。

 住商はネット通販事業を国内で手がけてきたが、2011年に中国、12年にインドネシアに参入しアジア展開を加速している。13年度の同事業の売上高は200億円程度の見込み。20年度をめどに1千億円の売り上げをめざす。

 住商はこのほどベトナムの通販サービス大手ティキ(ホーチミン)に30%出資。出資額は明らかにしていない。同社の取扱品は書籍、文房具、衣類が大半。住商が食品、飲料、ヘルスケア用品などを供給し、商品点数を現在の約4万点から2年以内に10万点に増やす。

 ティキはホーチミンに大型物流倉庫を持つ。13年にもハノイに物流倉庫を新設、ホーチミンの倉庫も拡張する計画だ。

 住商は国内で日用雑貨や食品を扱うネット通販「爽快ドラッグ」を運営。購買履歴から売れ筋や消費者一人ひとりの特徴を割り出したり、それをもとに商品購入を促す効果的な販促策をネット上で打ったりする手法をベトナムでも生かす。

 一方、マレーシアでは全額出資の子会社を設立する。12月をめどにまずクアラルンプール市で食品や日用品などの通販事業を始める。同市内に物流倉庫を借りる。商品点数1千点から始め1年後に1万点に増やす。

 日本経済研究センターの調査によると東南アジア主要5カ国のネット通販市場は20年に250億ドルと09年の2.8倍に拡大する見通し。日本の消費者向けEC市場(11年度に8兆円規模)に比べるとまだ小さいが、住商は今後ネットに慣れた若年層が市場のけん引役になるとみて将来に向け布石を打つ。

 EC業界では楽天がインドネシアの複合メディア企業グローバル・メディアコムと合弁会社を設立し、11年に仮想商店街「楽天ブランジャ・オンライン」を開設している。米イーベイも同国通信大手と資本提携した。中国のアリババ集団も東南アジア各国で事業拡大を進めている。

日系新聞2013年8月27日より

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